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「PuTTY」に秘密鍵が復元できてしまう深刻な脆弱性 ~「WinSCP」など他ツールにも影響

v0.81への更新と鍵の再生成を

「PuTTY」v0.81

 リモートログオンクライアント「PuTTY」の最新版v0.81が、4月15日に公開された。たった60個ほどの署名からNIST P-521秘密鍵を復元できてしまう脆弱性(CVE-2024-31497)を修正したセキュリティアップデートとなっている。

 この脆弱性が影響するのは、「PuTTY 0.68」から「PuTTY 0.80」までのバージョン。ECDSA署名では一度だけ利用される秘密の番号(nonce)を必要とするが、「PuTTY」を含む一部のプログラムではこれが十分にランダムではないため、公開されている署名を少し集めるだけで、ローカルのオフライン環境で秘密鍵を算出できてしまう可能性がある。

 算出された秘密鍵は、不正アクセスや「Git」で管理されているソフトウェアに対するサプライチェーン攻撃に用いられる可能性がある。「PuTTY 0.81」へアップグレードするだけでなく、鍵の再生成が必要だ。「PuTTY 0.81」ではnonceの生成処理がより安全な方法(RFC6979)へ差し替えられている。

 なお、「PuTTY」はさまざまなアプリにバンドル(同梱)されているので注意。「FileZilla」「TortoiseGit」にはすでに対策版がある(それぞれv3.67.0、v2.15.0.1 hotfix)。「WinSCP」にはまだアップデートがないが、提供され次第更新を済ませておきたい。

ソフトウェア情報

「PuTTY」
【著作権者】
Simon Tatham氏
【対応OS】
(編集部にてWindows 10で動作確認)
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
0.81(24/04/15)